『ブラック・ジャック』の「猫と庄造と」に泣いた

ウチの猫が一番カワイイけどね!


いやいや、この手の「泣いた」とか、
「クソワロタ wwwww」とかゆってるヤツって、
素の表情でキーボードを打っているのが常ですが──、
──オレ、いま、マジで泣いてる。

それはさておき、

手塚治虫全集の『ブラック・ジャック』を再読しています。
7 巻に出てきた「猫と庄造と」という話が、
猫好きにはジンワリと泣けるんですな……。

ざっくりと、ストーリィをネタバレする:


雪崩による事故で妻と家族を失った、
庄造という人物が出てきます。
事故のせいで、庄造は精神を病んでいる。
そのために、家族がいなくなったことを──、
──庄造は認識ができない。


ある時、家に住み着いた子連れの猫を見て、
庄造は──自分の家族だと思ってしまう。
それ以降、庄造は母親猫を自分の妻──
──「洋子」と呼ぶ。
二匹の仔猫も、自分の子どもだと思って溺愛する。


このあたりは、猫好きなら共感できるでしょう。
事故などなくても、猫は家族です!


月日は流れて──、庄造の容体が悪化します。
かなりムズカシイ脳の手術が必要なんですね。
そこでようやく、われらが BJ 先生が活躍する。


猫──「洋子」が、
手じゅちゅ中に、ちゅ術室のドアを
心配そうにカリカリと引っ掻くのが、
また涙を誘うンですなぁ……。


そして、庄造の容体が良くなり、
事故があった前後の記憶も戻る。
すると──、今度は「洋子」のことを、
「うすぎたないネコ」だと毛嫌いする。
猫たちを自分の家族だと思っていた記憶が、
なくなってしまったんですね。


ここのポイントは、「洋子」が本ッ当に──、
──「薄汚く」描かれていることですね。
「洋子」の瞳だけは人間のキャラと同じなのですが、
毛並みを見ると、一目で雑種だと分かる。
子どもたちの毛の色も、バラバラです。


だから、記憶が戻った庄造は、毛嫌いしたのです。
そして、ノラネコを──妻だと錯覚するはずもない。
雪崩のあった土地はいまわしい──と、
庄造は引っ越しすることに決めました。


そんなことは、猫の「洋子」に分かるはずもなく……。
なぜ自分を避けるのかが理解できないため、
「洋子」は悲しそうな表情のまま、
庄造を──自分の愛する人を追いかけつづける。


ここがもう──、まじ泣く。
ほんのすこし前まで、自分のことを愛していた人が、
とつぜん離れていったら──悲しすぎる……。


そんな「うすぎたないネコ」がついてくるを見て、
「おれが そんなに 好きなのか」と思い、庄造は──、


「おいで 洋子」


と猫──自分の妻を呼ぶ。
そして家族みんなで、歩いて行く。
おそらく、いままで一緒に住んでいた家の方向へ──。


──とまぁ、こんな感じの話です。100 回泣く。

今回のオチ:

この話を現代風にアレンジすると──、
──やっぱり、こうなるよなぁ……。


山本賢治版ブラックジャック 「ネコと庄造と」