夢のカノジョは甘えたガール

つい先ほどのこと──、
心地よい眠りから覚めて、この日記を書いています。
眠りの中で見た、夢が面白かった。


夢の内容は、
「別れた(フラれた)カノジョと久しぶりに再会する」
という、じつにありふれたモノです。
ただし、同じ日に、もう 1 人の女性のお相手もする、
という点が、すこし変わっている。


ここでは仮に、
以前お付き合いしていた元・カノジョを A さん、
もう 1 人の女性を C さんと呼ぶ。
A さんはオットリした──というか、むしろ、
いつもボンヤリとした女性でした。
夢の中でも、それは変わらないみたい。
現実の世界でも、夢を見ている乙女だったのかも。
C さんは、ハキハキとした活発な女性です。


なぜだか A さんも C さんも、
以前に自分が住んでいたアパートに押しかけてくる。
自分も、なぜかその──
ウィークリィ・マンションに建て替えられたハズの、
古いアパートにいた。


「やっかいなことになったな」
と思っていたけれど、ウマイ具合に 2 人は
バッティングすることなく、
ピッチングもすることなく、
ようするに最後まで怒らせずに済んだ。
女を怒らせないことが、男の最大の仕事です。


A さんは、となりの部屋で、
ずっと自分の母親と話していた──と言う。
それはそれで、申し訳ないことをした。
では、その間、
自分と C さんは何をしていたのか──
それは、
ここでは書けませぬ。


いつの間にか C さんは帰ったようだ。
時間も遅くなってきたので、
A さんを最寄り駅まで送っていった。
われながら、
ジェントルマンな振る舞いができたと思う。
A さんは、付き合っていたころよりも、
もっと可愛らしくて、自分に甘えてきた。
夢ならではの、ゴツゴウシュギだろう。


帰り際──、
お互いの距離を縮めて、
熱量の交換をしながら、


「来週、また会おう」


と約束をする。


ああ、また「始まる」のだな──。
酸いも甘いも、人生の苦さも覚悟しつつ、
喜びながら古い住みかへと帰った。


(サイフを忘れてきたのに駅のホームへ出たため、
駅員に謝った場面は、格好悪いので省略する)

この夢の中には、

不思議な点がいくつかあります。
まずは──、


自分には過去、カノジョなどいなかった……!


──ということではなくて。
「A さん」はちゃんと実在しているし、
長い間、お付き合いさせてもらいました。
ただ、「C さん」には心当たりがない。
似たような人は、知り合いにいるのだけど……。


なぜか、A さんと C さんとは、
自分と会う時に、別々に現れるのです。
同じ日に、同じ場所で会っているのに……。


そこで考えついた仮説は、
「A さんと C さんは、同一人物である」
ということです。
つまりは──、
C さんは、A さんの変装だったのでは。
そこまでして A さんが自分に会いたい──、
という部分が、最大の謎ですね。


もう一つは、
自分が昔に済んでいた部屋で
2 人(1 人?)と会っていたはずが、
「街の文化会館か博物館で催されている、
あるイベントに参加した」
ことになっているのです。
A さんとは、来週、そのイベントで再会する──
ということになっている。
うーむ、なにかの象徴でしょうかね……。


ただ──、今までの例からすると、
夢の中に出てくる知り合いは、
「二度と会えない・会わない」
と自分の中で認識している人ばかりです。
A さんは、初めて夢の中に出てきた。
お別れして 3 年近くの時が流れて、
ようやく──「終わった」のか。


残る謎は、


「三十男が、この時間(昼の一時過ぎ)に
どうして家で寝ていたのか」


というトリックです。
これは、解くのがムズカシイ……!