穴と心労
朝食をたべながら、ボケッとニュース番組を見ていると、
「名駅にあるナナちゃん人形の前でウェディング写真を撮る」
というサービスが出てきました。
鈴木さんという女性アナウンサが、
(不必要な)ウェディングドレスを着てレポートをしている。
鈴木アナは、
「いま新郎(候補)がいないので、新郎になってください!」
と結婚式場のスタッフらしき男性に言いました。
テレビではアリガチな演出ですねー。
さて、このテレビ的にシロートのスタッフは、
新郎候補に選ばれて、なんと答えたでしょうか?
普通だったら、社交辞令的に、
「あ……光栄です(棒読み)」
ですよねー(あとから同僚にからかわれる)。
自分だったら、とっさのことでも慣れたように、
「はい喜んでー!(某・居酒屋風に)ハネムーンは、どこ行く?」
くらいは言うでしょう。
さて、正解は、次のひと言でした。
「あ、はい……。鈴木アナのファンの方、すみません……!」
──これは、深い!
アナウンサもタレントの一部なので、当然のようにファンがいる。
鈴木アナも、ファンレターくらい、毎日のようにもらっているでしょう。
かといって、ほかの人から、
「鈴木アナにも、ファンはたくさんいるんですよねー?」
なんて、面と向かって聞かれる状況はないはず。
タレントやアナウンサにとって、
ファンの存在は誇るべきものだが、
自慢したりほめられることは、ない。
そこで、上記のスタッフのように言えば、
ファンの存在をくすぐりつつ、
ファンに対しても角が立たず、
なおかつ新郎役を引き受ける、
という三つをすべてが実現できるのです!
まさに、サービス業をしている者のカガミだなー、
──と書きながら悟ったのですが、
つ【台本】
ということかも……。テレビだし。