デスノート 『完』

終わった──。モロネタバレの感想（今さらネタバレも何もあったもんじゃないが）。

松田の推理は面白い。いや、正解ではないか、と思った。

ニアは、まだ《本物のデスノート》を所有しているのでは。デスノートを燃やしたあとも、みんなデスノートのことを覚えているのがその証拠──と言えないだろうか。

デスノートのルールの中に、「所有権を放棄しなくてもノートを焼却すればデスノートの記憶は消える」というルールはなかったと思うが、普通に考えてノートがないのに所有権と記憶も持ち続けているのは変だ。

ただ、松田だったら「ライトはキラではない」「ニアがライトを操った」と考えるのが自然だと思う。デスノートに、

「夜神月 自殺
2010年1月28日 13時3x YB倉庫内で自分に言われたことを真偽にかかわらず全て認める。
その後、自分が考えられる全ての方法を使い、その場にいた者すべてに反感を買うように振る舞う。
YB倉庫で死亡しなかった場合、10日以内に自殺」

とか何とか、ニアがしくんだ、と。

もちろん、読者の全てが間違っていることが判っているわけだが、推理小説だとこれくらいの仮説は出てくる。

また、ラストの女性は誰か、と考えると面白い。

順当に考えるとミサだが──そうすると、捜査本部の人間が、ライトのことをミサにどう伝えたかという問題がある。

「死神に殺された」といえるわけがないので、「キラ事件を捜査していることがばれたのでキラに殺された」と伝えるのが順当なところ。だがそうすると、キラを崇拝するのが解らない。ひょっとして、ミサはデスノートの所有権を放棄していないのでは──とか。最後の表情、目が「死神の目」っぽくみえるが──。

ただ、「キラ事件の捜査中、狂信者達に射殺された」とか何とかで通りそう。

または、あの女性は粧裕、というのも面白い。

まぁ、今回、一番面白かったのが「ライトが好き」といわれたときの松田の表情だよね。本当、大場氏は松田好きだなー、と思った。