2010-07-26 すり切れていく恋 詩 人 数十億の忘却の向こう側、 先週のこと──。 駅のホームへと向かう、 男子中学生を見た。 彼のカバンの底に、 恋人らしき女の子の名前──。 彼女をオンブするかのように、 背負われてたカバン。 まるで恋心の看板。 砂漠でおしるこをすするような、 熱い暑い甘ったるさ──。 でも残念なのは、 いつでも消せるように、 チョークで書いてあったこと──。 いつかは書き直される恋。 本当に望むのは──、 いつでもかき乱される心。