限りなくぬるま湯に近いブルー

最近、ガス圧で高さ調整ができる、リクライニングチェアを買った。いわゆる「オフィスチェア」の牛革製。

これが、「今までのイスは何だったんだ」というくらい、座りやすい。「今までのイス」というはイームズなんだけど、やっぱりアメリカン・サイズだったんだなー、と実感。イームズはインテリアと化した。

──で、それはいいんだけど、イスとテーブルとの相性が悪く、パソコンの操作感はいまいち。会社においてあるデスクとイスが、自分にはぴったりと合う。会社のデスクとイスを、家に持って来たい。



そこで思い出したのが、大昔のコント番組『夢で逢えたら』のネタ。ダウンタウンウンナンが共演していた、夢のような番組だった。

思い出したコントでは、浜ちゃんとナンちゃんが中年リーマンに扮していた。休日中、会社に出勤してくる場面から始まる。世間では連休だというのに、「会社でくつろぐのが一番」、とデスクの上で気持ちよさそうにリラックスしているシーンで終わる。

面白おかしく演じているが、まさに(日本の一部の)社会の縮図を描いた作品だった。

リゾート地に出かけるでもなく、家族と買い物に行くでもなく、ましてや家で(カミサンや子供に小言を言われながら)過ごすでもなく──会社でくつろぐリーマン。



まさか、自分がそんな存在になるなんて、夢にも思わなかった。──そこまで(会社|社会) にタマシイ売ってるわけじゃないけど、「会社もイイなぁ」と思うときもある。今の会社のようなぬるま湯に、ゆっくり浸かってのんびりするのも、悪くない──。

──というか、いままで「ぬるま湯」以外に足を突っ込んだことなんてあったっけ?と気付いて、ちょっと、ブルー。