初心者って──

〈初心者〉が嫌いだ。正確に言うと〈自称初心者〉。

いろんなジャンルの自称初心者に出会ってきたが、仕事柄、PCの初心者とほぼ毎日話す。そこで思ったこと。

「自称初心者ほど、熟練者の話を聞かない」

自分の仕事はインターネット接続のサポート。接続ができなくなって電話をかけてきたお客さんの対応をする。Windows XPを使っている場合、「ネットワーク接続」というアイコンを開いてもらうことが多い。

「では、スタートボタンを押して、〈コントロールパネル〉をクリックしてもらえますか」

ここで、三割くらいのお客さんから「ない」と言われる。サポートセンタに電話してくるようなひとがスタートメニューをカスタマイズしているわけもなく、間違いなくあるのだがしばらく「ない」と譲らないひとが5%くらい。

ようやくコントロールパネルを開いて〈ネットワーク接続〉を開いてもらう時に、こんな会話になることがある。

「次に、〈ネットワーク接続〉というアイコンを探していただけますか」

「──んー、無いなー。〈インターネットオプション〉ならあるけど」

いつも思うのだが、〈ネットワーク接続〉を押して欲しいと言っているのに〈インターネットオプション〉がある、返す意味が解らない。トヨタに車を買いに来て、

「すみません、クラウンが欲しいんですけど」

カローラならありますけど」

と返してくる店員がいたら、ノリの良い関西人でもクレームになるだろう。

とにかく、自称初心者はひとの言う事を聞かない。「自分なりに」判断して勝手にやるのが自称初心者。「自分はなにも知らないんだ」と思いこんで主張する。

今から何かを始めようとする。だれでも初めは初心者なのだが、自分は上記のような〈自称初心者〉にならないようにしよう。