『ニューヨークの恋人』に見る「いい人」

昨日の夜、『ニューヨークの恋人』を見た。大昔の時代から白馬に乗った王子様がやってくる、というよくある話だ(残念ながら、身近で起こったことはないが)。

さて、主人公の男女二人は置いておいて(え?)、注目なのはスチュアートだ。そもそも、物語の発端はスチュアートが見つけた時空の裂け目。──なのだが、物語のはじめに彼は退場になり、物語の終盤までほとんど出てこない。さらに、彼は主人公ふたりを結びつける。

主人公のひとり、メグ・ライアン(が演じている役)とスチュアートは、「元恋人」という設定。別れたばかりの男女が、同じ屋根の下(マンション)に住んでいて、まるで「幼なじみ」のように仲良くけんかしている。そこに突然、もうひとりの男(主人公のレオポルド)がやってきて──。

──なんて材料が与えられたら、安易に「三角関係」に持って行きたいところ。少なくとも あかほりさとる 氏は放っておかないはず。

──が、全くそんな傾向もなく、急速に主人公ふたりは接近し、スチュアートが戻ってきたときにはすでに手遅れ。スチュアートが二人を結びつけるキューピッド役に徹する。スチュアートは本当に「いい人」なのだが、報われない。

英語で「よくある話」という意味で“Boy meets Girl”という言葉が使われることがある。『ニューヨークの恋人』のように、「いい人は報われない」というのもよくある話。ということで、“Good guy's story”も「よくある話」という意味で使うのはどうだろう? (「いい人」が“Good guy”でいいかどうかも知らないが)



ちなみに、昨日の日記で書いた『かしまし』のサブタイトル、『ガール・ミーツ・ガール』が今回の日記の伏線になっている(ミステリィマニア垂涎!)──わけではない。