電車にて。
座席が空いていないので、しかたなく入り口付近で立っていた。
何気なく前方の人を見る。四十代半ばのサラリーマン風で、背中を向けている。
カバン(ショルダーバッグ)を見ると、側面のファスナーが開いていた。
中身が落ちる可能性は少なそうだが、一応、教えてあげようか?
と、その時、別のポケットも開いていることに気が付いた。
よく見ると、そのカバンのポケット、ほとんどが開いていた。
…こういうカバンなのかもしれない。
…こういうのが好きな人なのかもしれない。
…オープンソース(誤用)は素晴らしい。
何も言わず、車窓に目を向けた。
一切が空。