オサレ日和
春だ。春と言えばオサレの季節。ということでさっそくオサレな靴を履いてお出かけしてきた。
──つうても図書館に本を返しに行ってきただけだが。ちなみに今日は仕事が休み。
〈オサレな靴〉とは『パトリック・コックス』の靴。メイド・イン・イタリィの真っ白なローファー。買ったのは五年くらい前かな。履いたのは20回くらいだと思う。前に履いたのは──少なくとも半年以上前かな。
帰ってきたら、(数年ぶりに)靴磨きをしてみた。ブラシでほこりを落として、『コロニル』の『レザーソープ』で汚れを拭き取る。『メルトニアン』の『デリケート・クリーム』で革に栄養を。最後は『コロニル』の革底専用のトニックを塗って、完成。
──という靴の磨き方は、10年前の雑誌『Begin』で読んでから全く変わっていない。あのころの自分が一番、オサレだったなー。オサレつうかファッションオタク。ファッションデザイナやモデルの名前、何人もソラで言えたなー。
図書館では借りたい本があまりなかったので、雑誌『装苑』を二冊借りてきた。二十歳の頃、ファッション専門学校に通っていたときに、よく参考に読んでいた。今読むと、それほど〈もおど〉な感じではなく、カタログ的になっているな。
ファッション誌って、ほとんどがカタログになっている。まぁそれはそれで便利だけど、そもそもファッションて〈便利〉という言葉から遠いところにあるような。ファッションショーなんかを見ると、とても街中では着られない格好でモデル達が歩いている。実際に店には置いていない服がほとんど(オートクチュールってやつね)。要するに、そのショーを通してデザイナが「このシーズンで自分が表現したいのはこんな感じ」という言葉を具体化しているわけだ(……よね?)。
そんな、ファッションショーのようなファッション誌はないのかな? 既製の服でコーディネートするのは構わないけど、フォトグラファとかグラフィックデザイナが写真を加工して独特な世界観を創り出したり。──そこまで行くと、〈ファッション〉ではなくなるか。
何というか、ファッションのインスピレーションだけ与えてくれるような雑誌が、あるといいな。